睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠時に呼吸停止、または低呼吸になる疾患のことです。きちんと治療しないと、交通事故、高血圧や糖尿病、心臓の病気や脳卒中などを招く確率が大幅に上昇します。職業や家事などの私生活に何かと悪影響が出がちですので、放置するのは禁物です。
症状
いびきがうるさい、日中の眠気がある、朝起きると体が重いなどのほかに、倦怠感、熟睡感が無い、起床時の頭痛、ED(勃起不全)、夜中に何回もトイレに行く、集中力や記憶力の低下などの症状がみられます。
検査
まず「簡易検査」を行います。貸し出しした専用機器を使って、自宅で検査を行い、医療機関で解析します。睡眠時無呼吸症候群の診断、および症状の程度を測定するための検査です。
口と鼻に呼吸センサーを、指に血中酸素濃度を調べるセンサーを取り付けて一晩就寝し、時間当たりに10秒以上の無呼吸・低呼吸が何回生じるか、また同時に血中酸素濃度の低下が起こっているかどうかを調べます。
治療
睡眠時無呼吸症候群の原因、また個々の患者さんの状態に応じて、下記のような方法の中から選択されます。
CPAP療法(Continuous Positive Airway Pressure=経鼻的持続陽圧呼吸療法、通称シーパップ)
鼻に装着したマスクから圧力を加えた空気を送り込むことによって、ある一定の圧力を気道にかけ、気道の閉塞を取り除く治療法です。
中等症から重症の患者様にとても有効で、今や睡眠時無呼吸症候群の最も重要な治療法となっています。
マウスピース
主に軽症の患者様が適応になります。専用のマウスピースは、専門の歯科医に作製してもらいます。気道を広く確保するために、下顎を上顎よりも前に出るように固定します。
生活習慣病の改善
- 肥満の方は、減量のために適度な運動を心がけ、食事も腹八分目にしましょう。
- 寝酒はやめましょう。お酒は筋肉を弛緩させるため、気道の閉塞をさらに悪化させる可能性があります。
- 睡眠薬の中には筋弛緩作用を有するタイプのものがありますので、服用にあたっては主治医にご相談ください。